おまえは
以後誰とも交わることはできない
罰として科された孤独を
自らが望み獲得したのだと
読みがえる

物語りを皆既月食の日に完成させる
というのも計られたこと? 
――いや繋がっているだけ
三叉路に昇る黄色いブリキの月がほくそ笑む
時空の対称性を映す赤銅色の月が
おもむろに企てた二重スリット

(あいつ・わたし)は滓だ
双面(ふたおもて)の月の戸を開ける
として、でも、だからこそ

あの日も満月だった
光子はどちらのスリットを通ったのか 20年後
一枚のキャンバスをモノリスに見立てて蝕に触れる

生きろ

絵画論 序『モノリス』

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